武士野球年末特別企画にて 家族対抗武士野球 司馬ごくたろう先生作

解説 「えー、年末恒例となりました家族対抗武士野球が始まろうとしております。え? 勝手にそんな企画つくっていいのかって声もあるようですがま、師走ということで・・・・ま、いいじゃないっすか、ね。兎にも角にも、今年は織田信長さんファミリーと徳川家康さんファミリーが熱い戦いを見せてくれまっす。おおっと! どうやら両チームの監督が既にグランドで何か小競り合いか?」

信長 家康「ちぃーっす! サブ兄ィ。」
信長「うぃーっす!  竹ちー、やっとかめだわ。」
家康「サブ兄ィ。。。  その竹ちーはやめてくだされ。
   竹千代はもう家康という立派な名前がありますから。」
信長「であるか。 なら、お前もそのサブ兄ィはやめやぁ。
   何かこう、違う意味に聞こえるがや。」
家康「では、信長殿。 聞くところによれば信長殿のチームには
   信包殿や長益殿まで参加されているとか?
   信長殿はお子さまが12人もござっせるのに、なんでまた・・・」
信長「とろくさーこと言っとたらあかんて! 信包も長益も、この信長の
   弟だに、・・・家族だがや。」
家康「しかしサブ・・・信長殿。 家族対抗ですぞ! 信長さん家族・・・」
信長「たあけ! 弟も家族ぞ。 じゃぁ、信包は織田ファミリーの一員じゃないと言いやぁすか!
   不憫じゃ!不憫じゃ! 家康が信包をいじめよる。」
家康「信長殿! そ、そんな意味で言ったのではございませぬ。 の、信包殿も立派な
   織田信長ファミリーですぞ。」
信長「長益もか?」
家康「もちろん、まごうことなく!」
信長「では信澄もか?」
家康「い?  の、信澄殿は甥御では・・・・・ああああああ!
   いいいいあやいやあいあいいい・・・・ふ、ふぁ、ふぁ、ふぁみりーです。
   の、信澄殿も、ま、ま、まっこと信長ファミリーですぞ! 」
信長「であるか。(笑いつつ鞘をおさめる)」
家康「ほっ!」
信長「家康。 おみゃ~さん、詰めが甘い。 家族対抗とは言いやぁしたが、親子対抗とは
   言っとらせんでよ!」
家康「へ?」
信長「だいたい、長好(信好)も縁(長次)まだ乳飲み子ぞ。 野球なんかできるわけあらせんがや。
   信包等呼ばんとすこた数そろわんに。  よう、かんこうしいや!」
家康「おっどけた!長好殿も縁殿もまだ乳飲み子ならうちの末息子は・・・」
信長「ひこつこねんな、とろくっさい。 元からええころかげんな企画なんだでね。」
家康「・・・!」
信長「おみゃ~さんとこ、ぜーんぶ子供から選手を選んだん? と~ろいなぁ、もう。
   や、こんなにぎょ~さんガキばっかり揃えて・・・すこた、だだくさにしとるからだに。
   かんこうせい、かんこう。 だで家康。 おみゃ~さん、あの信玄ズに負けるんだに。
   詰めが甘いんだて。 えか!」
家康「・・・!」
信長「ところで家康。 おみゃ~さんとこ、信康が先発投手と聞いたがの?」
家康「は! 信康はこの家康の嫡男ですから。 家康ファミリーの要です。」
信長「ふふん。家康。 ごっさまに天秤かけられとること知っとるん?
家康「へ?」
信長「信玄ズに通じてると聞いたんだがほんときゃあも?」
家康「ま、まさか・・・」
信長「ちょうらかされっとたらあかんにぃ。 何でも信康も一枚噛んどるきゃあも。」
家康「・・・」
信長「(やかんどる、やかんどる。 あやすいやっちゃ。) ま、がんばってちょ!」
家康「・・・・! だ、誰か! 誰かある! 信康を引っ捕らえい!」 
信長「(ふっ。 戦う前にまず勝つことだがや。 まだまだ、詰めが甘いんだて!)」


解説
「えー、どうしたわけか家康ファミリー。 先発予定だった信康選手、まだ試合も始まっていないのに、いきなり退場となりました。 しかも退場を宣告したのは家康監督自らです。これは家康さんファミリーチーム、痛い戦力喪失となります。
代わりのピッチャーは・・・・秀忠選手。 ちょっと力量不足か。 捕手は監督みずから出場します。一塁手秀康選手。 二塁手忠吉選手。 三塁手忠輝選手。 戦力と言えばここまででしょう。あとは・・・外野は赤ん坊ばかり・・・いいのかホントに。外野に守備は期待できない!と、言っている間に先攻信長さんファミリーの攻撃が始まった!打つ! 打つ! 打て出る! これはライトフライ! でも捕ってくれない。今度はショートゴロ・・・これも突き抜けた!忠吉選手走る走る。 その間、三人ホームイン! ランナーは三塁へ。忠吉、ボールを捕って三塁へ送球・・・ああ!なんてことだぁ! 忠輝選手送球を無視!サボタージュだ! 忠輝、サボタージュに出た!」


      やがて・・・九回裏  15対 1  信長さんファミリーチーム圧倒的優勢にて
      家康さんファミリーチームの攻撃。 2アウト、出塁なし。


解説
「既にカウントは2ストライク。 バッター監督の家康。 家康自ら最後のバッターとなるか?
・・・おお!なんだ?
客席が騒がしいゾ!あ!明智光秀だ。信長応援団団長の明智光秀、いきなり客席から乱入してきた・・・・ああっ!ハリセン! いきなり信長にハリセンを食らわせた!
どうしたことでしょう! 興奮して見境なくしたのか、信長応援団の光秀が信長にハリセンだ! 
信長動かない! 信長ダウンか? ただ一人ベンチに座っていた無防備な信長監督。
奇襲されてダウン! おーっ、今度は信忠、ピッチャーマウンドの信忠にハリセン! 信忠撃沈!
や! どうしたことだ! 二塁手の信孝選手いきなりチームメイトの信澄選手に蹴りを入れた!
客席から次々と観客が乱入! 先頭をきるのは羽柴秀吉!大乱闘! 大乱闘が始まったぁ! もう、試合にならない! この試合ドローか?
あ、家康走り出した! 乱闘を止めに行くのか? いや、違うぞ! 一塁を蹴って二塁へ走る!
振り逃げだぁ。 家康、ボールも打ってないのに塁を回り始めた! おお家康ファミリーこれに続きます家康ホームイン! 続いて秀康、秀忠、忠吉・・・あいかわらず忠輝サボってます。家康また走り始めた。 二周目です!  次々ホームイン、点数が加算されていきます。
12点・・・13点・・・14点・・・15点同点!・・・16点! 逆転だ! いいのか!本当に!
キャッチャーは? 信長さんファミリーチームのキャッチャーは何してる!
阻止しなくていいのか!キャッチャー! ・・・信長さんファミリーチームのキャッチャーは長益選手だ。どこだ!長益!   あー、いた! 長益!そんなとこで、ゆっくり茶を飲んでんじゃねぇ!」



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