14歳のとき、小姓として織田信長に仕え、のち豊臣秀吉時代には五大老の一人として、 その息子秀頼を助けたのが前田利家である。
その前田利家だが、彼の健康法を如実に示すエピソードがある、豊臣秀吉に仕えていたときのことだ、
彼は秀吉邸へ赴き、豊臣秀吉を裸にし、灸をすえてやり、 また自分も灸をすえてもらったということがあった。つまり豊臣秀吉と灸のすえっこをしたというのだ。
ここで、この灸に注目して欲しい。灸は中国から仏教と一緒に日本に伝わってきた。
しかし、一般的に使われるようになったのは徳川時代のこと。だから、前田利家が灸を愛好していたのは、まさに彼の健康の秘術と言える。その灸の効果だが、灸をすえると、体内の白血球は二、三倍にふえ、殺菌作用が強化される。また、血管、神経の機能がアップするといわれている。現在でも、科学的には解明されていないが、少なくとも効果があることは、明白だ。ツボを加熱し、刺激してやることで、 体内のさまざまな機能が向上し、病気の予防につながる。
つまり前田利家の健康法とは、まさに灸だったのである。