
まず、蒲生氏郷と聞いても、歴史をあまり知らない人はどんな人か分からないとおもう。そこで、どんな人かごく簡単に説明すると、信長の娘を娶り、豊臣秀吉に恐れられたという経歴の持ち主である。
織田信長が自分の娘をやると言うくらいだから、相当蒲生氏郷を気に入ったに違いない。 しかも蒲生氏郷十三歳のころだ。
さて、本題の健康法だが、彼にはこんなエピソードがある。
それは、蒲生氏郷の怒りを買って勘当された家臣が許されて、 帰ってきたときの話。
彼は家臣にこう言った。
「その方、浪人している間に、武芸にはげんだであろうな。」
家臣は、「殿の武名を辱めないほどには心得ております。」
といった。
「よし、ではわしと相撲せよ。家来の中でわしに勝てる者はいないぞ。」
蒲生氏郷は、そう言うと裸になって庭へ降りた。さすがに、いくつも戦場をかいくぐっただけあって、たくましいからだである。しかし、家臣は勝つ自信があった。そしてあれよあれよという間に家臣は彼をねじ伏せてしまった。蒲生氏郷はもう一度挑戦したがやはり勝てず、
「相変わらず強いな。お前は俺の二倍の力持ちだ。」
といって、誉めた挙げ句、加録してやったという。
相撲は昔から日本にある格闘技で(しかし今の形を作ったのは織田信長)、運動としては普通のものの、三倍以上の効果がある。
シコを踏むだけでも、足腰の筋肉、関節が鍛えられ、内臓疾患や老化現象の防止にも役立つのである。こうして相撲をすることによって、蒲生氏郷は健康を保っていたのである。